第12回最終回【鉄筋・配筋・専門用語集】全解説、現場で使える言葉、単語紹介

鉄筋や配筋の専門用語集!現場で必須となる言葉の意味を一覧で全解説

鉄筋工事の要となる配筋の専門用語を網羅した解説付きの用語集を作成し、現場で必須となる言葉の意味を一覧でまとめました。図面に並ぶ難しい用語の多さに戸惑い、何から覚えればいいのかと頭を抱えてはいませんか?

でもご安心ください。基本的な部材の名称から現場で飛び交う言葉まで体系的に整理すれば、難解な配筋図も驚くほどスムーズに読み解けるようになるでしょう。

正しい知識が身につくと、施工の正確性が増すだけでなく、周囲とのコミュニケーションにも自信が持てるはずです。専門知識を自分の武器にして、現場でより確かな仕事を形にしていきましょう。

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サクラ先輩

みなさん、こんにちは。
この度は【現場が俺を呼んでいる.com】に来てくれてありがとう!
みなさんの総合案内役、サクラです。

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第1回【鉄筋工事入門】異形棒鋼の種類やSR・SDの違いについて

第2回【D13の重量?】鉄筋寸法表や単位質量を活かし計算を学ぼう

第3回【なぜ鉄筋は冷間加工なの?】折曲げ規準やフック規定の悩みを解決

第4回【鉄筋かぶり厚さ不足で建物が死ぬ?】中性化から守る部位別の規定を解説

第5回【現場で役立つ鉄筋の継手知識】定着長さの計算とガス圧接のUT・外観検査を解説

第6回【なぜその鉄筋配筋順序なの?】RC造の現場で手戻りを防ぐ組立手順の理由

第7回【鉄筋施工図作成入門】設計図書の読み方と優先順位、注意点16項目で解説

第8回【鉄筋工事は施工計画書で決まる】工程計画と材料発注で手戻りを防ぐ手順を解説

第9回【柱・梁・スラブ・壁の鉄筋配筋チェック項目】検査不合格の対処と注意点

第10回【配筋検査合格させる方法】重要項目と工事写真の撮り方を伝授

第11回【鉄筋工事のミスをゼロにする品質管理!】配筋チェックリストの使い方と自主検査方法

第12回最終回【鉄筋・配筋・専門用語集】全解説、現場で使える言葉、単語紹介等 ふりかえり

目次

鉄筋の配筋用語の意味や一覧、専門用語、解説、用語集

鉄筋の配筋用語の意味や一覧、専門用語、解説、用語集
鉄筋の配筋用語の意味や一覧、専門用語、解説、用語集

鉄筋工事の現場で最初に覚えるべき、最も基礎的な用語から整理していきましょう。

【用語解説】(今更ですが振り返り)

配筋(はいきん)とは、コンクリートを打設する前に、

設計図に従って鉄筋を配置し、組み立てる作業のことです。

構造物の強度を左右する極めて重要な工程です。

主筋

主筋(しゅきん)とは、柱や梁の材軸方向に配置され、その部材にかかる主要な引張力や圧縮力を負担する最も重要な鉄筋のことです。

構造計算によってその太さや本数が厳密に決定されており、部材の強度を支える「大黒柱」のような役割を果たします。

梁であれば上下に配置される長手方向の筋、柱であれば縦方向に並ぶ筋がこれに該当します。

この主筋が不足したり、位置がずれたりすると、建物全体の安全性に直結するため、配筋検査でも最も厳しくチェックされるポイントの一つです。

主筋はコンクリートが苦手とする引張力を受け持つ、構造上で最も重要な鉄筋です。設計図に記載された太さや本数を正確に配置することで、建物の強度をしっかりと確保することができます。

サクラ先輩

ハルキくん、主筋はまさに「建物の骨格」そのもの。 本数一本、径の違い一つが命取りになるから、図面との照合は絶対よ。

管理人:コンくん

主筋の本数、径、配置の仕方など
構造図と現地仕上がりをキチンと確認しましょう。
大切ですよ!

帯筋

帯筋(おびきん)は、柱の主筋を水平に取り囲むように配置される鉄筋で、「フープ」とも呼ばれます。

主な役割は、柱にかかるせん断力(断ち切ろうとする力)に抵抗することと、主筋が外側に膨らんで折れ曲がる「座屈(ざくつ)」を防ぐことです。

地震時には非常に大きな力がかかるため、末端のフック形状は原則として135度で内側に折り込む必要があります。

これによってコンクリートをしっかりと拘束し、粘り強い構造体を作ることができるのです。

地震などの大きな力が加わった際、90度のフックでは鉄筋が外側に開いてしまう恐れがあります。コンクリートの崩落を防ぎ、粘り強い構造にするためには、原則として135度以上の鋭角でしっかりと定着させることが不可欠です。

後輩ハルキ

なるほど、ただ巻けばいいわけじゃないんですね。 135度の角度には、建物を崩壊から守る深い意味があるんだな……。

管理人:コンくん

柱の配筋時、フープ筋の135°の部分は弱点になりやすいため、
対角線上に交互に継ぎ手を持ってくる必要があるよ。
鉄筋屋さん的にも常識なので大丈夫かと思うけど、
もしフープ筋、135°の継ぎ手が1か所に集中していたら
即指摘して修正してもらってね!

あばら筋

あばら筋(あばらきん)は、梁の主筋を囲むように配置される鉄筋のことで、

英語では「スターラップ(STP)」と呼びます。

柱に使う帯筋(フープ)と役割は似ていますが、梁のせん断力に抵抗し、コンクリートに斜めにひび割れが入るのを防ぐ役割を担っています。

梁の端部(柱との接合部付近)は特にせん断力が大きいため、あばら筋を密に配置することが一般的です。

建物の「肋骨(あばらぼね)」のように、梁の強度を外側から守る大切な存在といえます。

「あばら筋」は梁(はり)の主筋を囲むように配置する鉄筋で、一方で「帯筋」は柱の主筋を束ねる鉄筋を指します。どちらもせん断力に抵抗する重要な役割を持っていますが、部材によって呼び方が異なるため、現場での指示や図面確認の際は正しく使い分けましょう。

サクラ先輩

あばら筋のピッチ(間隔)の間違いは、
現場でもよくある指摘事項の一つね。
特に端部の密な部分は数え間違いに注意してね。

腹筋

腹筋(はらきん)とは、梁の高さ(梁せい)が大きくなった場合に、梁の中ほどに主筋と平行に配置される補助的な鉄筋のことです。

一般的には梁せいが600mm以上になると必要になる場合が多く、側面がひび割れたり、鉄筋がたわんだりするのを防ぐ役割があります。(450㎜以上から要求されるケースもあり)

構造計算上の大きな力を直接負担するわけではありませんが、コンクリートの乾燥収縮によるクラックを抑えるために重要です。

壁のように広い面を持つ梁においては、特に配置の有無や間隔が仕上がりの品質を左右します。

【用語解説】

梁せい(はりせい)とは、梁の断面における高さ(厚み)の寸法のことを指します。

これが大きいほど、部材としての剛性が高まります。

後輩ハルキ

腹筋がないと、大きな梁の側面が
バキバキに割れてしまう可能性があるんですね。
補助的といっても、見た目や耐久性には欠かせませんね。

配力筋

配力筋(はいりょくきん)は、主にスラブ(床)や壁において、主役となる主筋に直角に交わるように配置される鉄筋のことです。

その名の通り、主筋にかかる力を広い範囲に「配る」役割を担っており、荷重を分散させるとともに、温度変化によるコンクリートのひび割れを抑制します。

スラブでは短辺方向に主筋、長辺方向に配力筋を配置するのが基本ルールです。

構造図には「@200」といった間隔指定がよく出てくるため、現場での実測確認が欠かせない項目です。

配力筋の重要ポイント
  • 主筋の負担を軽減し、荷重をバランスよく分散させる
  • コンクリートの乾燥収縮によるひび割れを防ぐ
  • 主筋の位置を正確に固定する役割も兼ねている
サクラ先輩

スラブは面積が広いから、
配力筋が乱れると床のたわみや割れにつながるわ。
結束が緩んでいないかも、しっかり見ておきましょう。

管理人:コンくん

配筋中の結束線のゴミ、結構散らばってます。
こまめにゴミを拾ってくれる鉄筋屋さんが殆どだけど、
たまに現場がバタつくと拾い忘れが生じます。
キチンと拾ってもらいましょう。

配筋後は手が入りにくくゴミが拾いにくい場合があるので、
ブロアーなどで結束線ゴミを吹き飛ばし、拾うのも有効です。
※でも近隣に迷惑がかかるような現場では注意。

現場で必須となる部材の名称と意味

現場で必須となる部材の名称と意味

各部材の場所によって、使われる鉄筋の名前は細かく変わります。

それぞれの意味を正しく理解しましょう。

用語配置場所主な役割
上端筋梁・スラブの上側引張力(特に端部)への抵抗
下端筋梁・スラブの下側引張力(特に中央部)への抵抗
補強筋開口部・コーナー部ひび割れの防止・強度不足の補填
はかま筋基礎(フーチング)基礎の形状保持・せん断抵抗
現場で必須となる部材の名称と意味

上端筋

上端筋(うわばきん)は、梁やスラブといった部材の断面において、上側に配置される主筋のことを指します。

梁の場合、柱に近い「端部」では部材の上側に引張力が働くため、この上端筋が構造的に非常に重要になります。

反対に、梁の中央部では上側には圧縮力がかかるため、端部よりも細い鉄筋で済むこともありますが、施工性を考えて通し筋とする場合が多いです。

配筋図では「2-D22」のように本数と径が指定されているので、上下を間違えないよう注意が必要です。

後輩ハルキ

上下を逆に組んでしまうと、建物が重さに耐えられなくなるんですね。 図面の「上」か「下」か、指差し確認が大事だと分かりました。

下端筋

下端筋(したばきん)は、部材の下側に配置される鉄筋のことで、梁やスラブの中央部で最も大きな力を発揮します。

建物が重みでたわもうとするとき、部材の下側には引きちぎろうとする「引張力」が発生するため、鉄筋でそれを食い止めます。

現場では、上端筋と下端筋をあばら筋や帯筋で連結して「かご」状に組み立てていきます。

この下端筋のかぶり厚さが不足すると、鉄筋が錆びやすくなり、将来的なコンクリートの剥落(爆裂現象)を招く原因となります。

梁やスラブの下側にかかる荷重を支えることで、部材のたわみを最小限に抑える効果があります。適切な位置に配筋することで、将来的なひび割れを防ぎ、床の安定性を長期にわたって維持できるのが大きな利点です。

サクラ先輩

下端筋はコンクリートの中に隠れちゃうけど、
一番過酷な引張力に耐えてくれているの。
かぶり厚さも妥協せずしっかり管理しましょうね。

つなぎ筋(差し筋)

つなぎ筋は、異なる部材同士を一体化させるためや、鉄筋の位置がずれないように固定するために用いられる補助的な鉄筋です。

例えば、ベース(基礎)と立ち上がり壁を連結する「差し筋」なども、広義の意味でつなぎ筋の一種と言えるでしょう。

これがあることで、地震などの外力が加わった際に、コンクリートのつなぎ目から部材が分離してしまうのを防ぐことができます。

二次的な部材(庇や手すり壁など)を後から作る場合にも、このつなぎ筋が重要なアンカーの役割を果たします。

【用語解説】差し筋(さしきん)とは、コンクリートを打ち継ぐ際に、新しい部材と連結させるために、あらかじめコンクリートから突き出させておく鉄筋のことです。

後輩ハルキ

部材同士をつなぐ架け橋のような存在なんですね。 入れ忘れると後から大変なことになるから、打ち込み前の確認が肝心ですね。

管理人:コンくん

一般的に差し筋は梁・基礎・柱などの構造体から
定着長(L2)を確保するようにします。
定着の寸法については、
まず各現場、構造図の特記仕様書を確認し、
着工前に監理者へ確認を行いましょう。

補強筋

補強筋(ほきょうきん)は、窓やドアなどの開口部の四隅や、部材が交差するコーナー部分など、ストレスが集中しやすい場所に配置される鉄筋です。コンクリートは「角(かど)」からひび割れが発生しやすいため、あらかじめ鉄筋を多めに入れたり、斜めに配置したりすることで強度を高めます。最近では、国土交通省の標準仕様書などでも開口部補強の基準が明確に定められています。図面に見落としがちな小さな指示として載っていることが多いため、隅々まで読み解く力が必要です。

窓やドアの角部分は応力が集中しやすいため、補強筋がないと斜め方向にクラックが発生するリスクが高まります。完成直後は問題なくても、数年後の経年劣化や振動で深刻なひび割れを招くため、確実な補強が必要なポイントです。

サクラ先輩

配筋要領については
まず構造図および特記仕様書の確認を
しっかりと行いましょうね。

補強筋を補助的な役割として軽く見てしまう人がたまにいますが、
大体は構造図や特記仕様書にしっかり記載されているので
補強筋補の配筋はほぼ必須です。

仮に補強筋の記載がなかった場合でも、
必要の有無を監理者に確認をしましょう。

はかま筋

はかま筋(はかまきん)は、基礎のフーチング(底盤)において、斜めに傾斜した部分などに配置される鉄筋のことです。

見た目が和服の「袴(はかま)」に似ていることからそう呼ばれており、主に基礎のせん断抵抗を高めたり、コンクリートの形状を正しく保つための定規のような役割を果たしたりします。

特に大きな荷重がかかる大規模建築の基礎では、非常に太い鉄筋が複雑に組まれることがあります。

基礎は建物すべての重さを地面に伝える土台ですから、はかま筋一つとってもその責任は重大です。

基礎工事では泥や水にさらされやすいため、鉄筋を汚さない工夫も必要です。はかま筋を組む際も、適切なスペーサーでかぶり厚さを厳守しましょう。

後輩ハルキ

「袴」なんて面白い呼び名ですね。
でも土台を守る大切な鉄筋なんだ。
地面に一番近い場所だから、
錆びないように気をつけてチェックします!

そいえば先輩に教えてもらった
【eラーニング】で学んだ基礎知識のおかげで、
鉄筋工事もだんだん好きになってきました!

サクラ先輩

いいね、ハルキ君、
その分野を好きになることが、
上達への最短距離だと思うわ!
ますます励みなさい!

昔、私も現場のスキマ時間で見られたから嬉しかった!
→ 現場で使えるeラーニングはこちら。

職人が使い分ける配筋工事の用語集と現場用語

職人が使い分ける配筋工事の用語集と現場用語
職人が使い分ける配筋工事の用語集と現場用語

図面には載っていないけれど、職人さんたちが現場で日常的に使う言葉があります。

これを知っているとコミュニケーションがスムーズになりますよ。

かんざし

かんざし(簪)とは、鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)などで、梁の鉄筋を所定の高さで水平に保持するために鉄骨の梁の上に置く金物のことです。

髪飾りの「かんざし」のように差し込んで使うことからこう呼ばれています。

現場で梁を組む際、鉄筋が自重で下がってしまわないよう、このかんざしを使って浮かせた状態で保持します。

あらかじめ鉄骨の製作段階で工場溶接しておく(先付け)のが一般的で、これを忘れると現場で鉄筋を浮かせる術がなくなってしまい、大変な苦労をすることになります。

サクラ先輩

かんざしは地味な部材だけど、
SRC造の施工精度を支える影の主役なの。
工場発注のタイミングで、
位置を間違えていないか確認するのが私の仕事よ。

管理人:コンくん

着工前のなるべく早めに
各工種の業者さんを集合させ施工検討会を行うといいと思います。
その現場に見合った各工種の懸念点・要望事項が聞けるといいね。

早めに抽出し対策をすることで、結果施工のタイミングになった時のトラブル緩和、進捗のスムーズさに直結していきます。

絞り

絞り(しぼり)とは、柱の断面が上階に行くにつれて小さくなる場合などに、柱の主筋を内側に折り曲げて寄せる作業のことです。

建物の設計上、下階よりも上階の方が荷重が軽くなるため、断面をスリムにすることがありますが、その際に鉄筋もその形状に合わせて「絞り込む」必要があります。

この時、急激に曲げすぎると地震時にその部分で鉄筋が折れやすくなるため、折り曲げの勾配は「1/6以内」にするという鉄則があります。

この数値管理を徹底することが、施工管理者の腕の見せ所です。

柱の太さが変わる部分などで鉄筋を曲げる際、角度が急すぎると応力の伝達がスムーズに行かなくなります。構造的な弱点を作らないために、絞り勾配は必ず1/6以下に抑えて緩やかに加工しなければなりません。

後輩ハルキ

「1/6以内」ですね。
数字で覚えると分かりやすいです!
ただ曲げればいいんじゃなくて、
強さを保つためのルールがあるんだな。

台直し

台直し(だいなおし)は、コンクリートから突き出た鉄筋が、設計の位置からずれてしまった場合に、根元付近を曲げて正しい位置に修正する作業を指します。

本来は「ずらさない」ことが大前提ですが、コンクリート打設中に鉄筋が押されたり、足場が当たったりして数センチのズレが生じることがあります。

そのままでは上の階の鉄筋とつながらないため、絞りと同じく「1/6以内」の勾配でゆるやかに曲げて補正します。

あまりにズレが大きい場合は、あと施工アンカーなどの別の処置が必要になることもあります。

台直しを多用しすぎる現場は、打設時の養生(固定)が甘い証拠でもあります。なるべく台直しをしないで済むよう、打設前の結束強化を職人さんに依頼しましょう。

管理人:コンくん

コンクリート打設時、
作業員さんが鉄筋に触れて動かしてしまうことで
ズレが生じる場合もあります。

まずは鉄筋工による鉄筋が動かないための対処が必要。
そしてコンクリート打設時に鉄筋に物を寄りかけたり
触ったりすることがないよう、
打設前に周知徹底することが大切だよ!

サクラ先輩

台直しはあくまで「最終手段」よ。
曲げれば曲げるほど鉄筋の強度は少しずつ落ちてしまうから、
最初からズレないように組むのが一番なの。

泥場

泥場(どろば)とは、雨が降った後や湧水がある場所など、足元が悪く泥濘(ぬかる)んでいる作業箇所のことを指します。

鉄筋工事にとって泥は天敵です。

鉄筋の表面に泥が付着したままコンクリートを打設してはいけません。汚れてしまった鉄筋はハイウォッシャーなどでしっかりと泥汚れを洗浄しきれいな状態で配筋検査を受け、コンクリート打設しましょう。

職人さんの足元の安全を確保する意味でも、環境整備は大切です。

管理人:コンくん

全ての現場が足元汚れずやりやすかったらいいんだけどね・・。
でも基礎施工時は特に川や海場の近くだったり、地下水が高かったりなどすると湧水により足元の悪い作業との戦いになります。

しっかりとした湧水ポンプアップのための水中ポンプ配置計画を徹底し、鉄筋屋さんの足が泥にぬかるむことなく、快適に作業させられるかは現場監督の腕の見せ所ですよ!

後輩ハルキ

泥で足元が悪い状態で作業するより、
少しでもやりやすい環境を整えたほうが絶対にいいに決まってますね!

常に自分がその作業を行ったときに、やりやすいか?不都合はないか?を考えながら環境を整えていこうと思います。

何だか自分の仕事がどうあるべきか?
光が見えてきました!

バーリスト

バーリストは、その工事で使う全ての鉄筋の形状、太さ、長さ、本数を一覧にまとめた「鉄筋加工図」のことです。

鉄筋屋さんは、設計図(構造図)を読み解いてこのバーリストを作成し、これに基づいて工場で鉄筋を切断・加工します。

いわば、鉄筋工事の「レシピ」のようなものです。

このリストに間違いがあると、現場に届いた鉄筋が長すぎたり短すぎたりして、現場がパニックになります。

施工管理者は、届いたバーリストと図面に相違がないか、加工前にチェックする責任があります。

バーリストのチェックポイント

  • 主筋の径(D19やD22など)が図面通りか
  • 定着長さや重ね継手の長さが考慮されているか
  • 加工形状(フックの向きなど)が施工上問題ないか
サクラ先輩

バーリストが読めるようになると、
現場の状況が立体的に見えてくるわよ。
最初は暗号みたいに見えるけど、じっくり向き合ってみてね。

骨組みを支える資材の種類と専門用語の解説

骨組みを支える資材の種類と専門用語の解説
骨組みを支える資材の種類と専門用語の解説

鉄筋そのものだけでなく、それを支える道具や資材にもたくさんの専門用語があります。

結束線

結束線(けっそくせん)は、鉄筋同士が重なる部分(交点)を縛って固定するための細いなまし鉄線です。一般的には0.8mm程度の太さが使われ、ハッカーという道具を使って手際よく締め付けていきます。単に動かないようにするだけでなく、コンクリート打設時の振動や重みで配筋が崩れないよう、全ての交点を結束するのが基本です。特に重要な柱や梁の四隅は、絶対に緩まないように「全数結束」することが、全国鉄筋工事業協会(全鉄筋)などのガイドラインでも推奨されています。

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後輩ハルキ

シュッシュッと素早く縛る職人さんの技、見てて惚れ惚れします。
でも、一箇所でも忘れると強度が心配になりますね。

スペーサー

スペーサーは、鉄筋と型枠の間に挟み込み、コンクリートの「かぶり厚さ」を一定に保つための支持具です。

素材には、コンクリート製(サイコロ)、鋼製、プラスチック製などがあります。

使用場所によって使い分ける必要があり、例えば梁やスラブの下側には、コンクリートの重みに耐えられるコンクリート製や鋼製のものを使用します。

プラスチック製は、側面の壁など荷重があまりかからない場所や、雨水にさらされない場所での使用が推奨されます。

これがなければ、鉄筋がコンクリートの表面に露出してしまい、建物がすぐにダメになってしまいます。

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コンクリートと馴染みの悪い材質のスペーサーを使用すると、部材との境界にわずかな隙間が生じてしまいます。そこから雨水や外気が侵入して内部の鉄筋を錆びさせてしまうため、部位に合わせてコンクリート製やモルタル製などを使い分けることが重要です。

サクラ先輩

ハルキくん、スペーサーは建物の寿命を左右する「小さな守護神」よ。 適切な間隔(1平米に4個程度)で入っているか、見逃さないでね。

サポートチェア

サポートチェアは、スラブや梁の底面に配置されるスペーサーの一種で、特に「下から支える」機能に特化したものを指します。

スラブの配筋が2段(ダブル配筋)になる場合、上段の鉄筋が下がらないように保持するための「架台」のような役割を果たすバーサポートも重要です。

施工中に職人さんが上を歩いても鉄筋がしなったり沈んだりしないよう、十分な強度と数を持たせる必要があります。

サポートチェアは鉄筋の高さを一定に保ち、コンクリートの「かぶり厚さ」を正しく確保するために欠かせない部材です。設置が不安定だと打設時に鉄筋が沈み込み、将来的な強度の低下や鉄筋の露出・腐食といった重大な欠陥を招く恐れがあるため、確実な固定が求められます。

後輩ハルキ

床の鉄筋の上を歩く時は、
サポートチェアがあるところを確認して、そっと歩くようにします。
鉄筋を曲げちゃったら元も子もないですもんね。

管理人:コンくん

仕上がった鉄筋乱すと怒られるかもよぉ~。
職人さんが心を込めて仕上げた物を
壊さないように、乱さないように大切に管理しましょう。

朝礼時にこの事を周知するだけで鉄筋屋さんからの信頼アップですよ!

ハッカー

ハッカーは、結束線を巻き付けて締め上げるための、先端が鍵状に曲がった手工具です。

職人さんにとっての「刀」ともいえる道具で、手首の返しだけで一瞬にして鉄筋を固定する技術は熟練の証です。

近年は電動の結束機も普及していますが、狭い場所や複雑な箇所では、やはりこのハッカーによる手作業が最も確実で自由度が高いとされています。

道具の手入れが行き届いている職人さんは、仕事も丁寧であることが多いものです。

サクラ先輩

ちょっとした配筋の乱れ、
配筋写真のピッチ微調整などは
職人さんを呼ぶまでもなく、
ササっと自分で直しなさい。

プロ用のハッカー紹介しとくわ。
1本持ち歩きなさい。
職人から一目置かれるわよ!

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圧接器

圧接器(あっせつき)は、2本の鉄筋を熱して圧力をかけ、一体につなぎ合わせる「ガス圧接」を行うための専用の機械です。

バーナーで赤熱させた鉄筋の端部を、この機械で強力に押し付けることで、原子レベルで接合させます。

接合部分がぷっくりと膨らんだ「コブ」ができるのが特徴で、その膨らみの大きさや形状をチェックすることで接合の良否を判断します。

非常に高い熱と圧力を扱うため、操作には専門の資格(圧接技量資格者)が必要となり、現場での品質管理も厳格に行われます。

後輩ハルキ

あの膨らみが、鉄筋が一つになった証拠なんですね。
コブの大きさまでルールが決まっているなんて、
鉄筋工事の世界は本当に奥が深いです。

正確な施工を実現する材料の用語と一覧

正確な施工を実現する材料の用語と一覧
正確な施工を実現する材料の用語と一覧

定着

定着(ていちゃく)とは、鉄筋が引き抜けないように、別の部材(例えば梁の鉄筋を柱の中に)に十分な長さだけ埋め込むことを指します。

鉄筋がコンクリートから抜けてしまうと、部材としての役目を果たせなくなるため、計算に基づいた「定着長さ(L2など)」を確保しなければなりません。

柱と梁の接合部などで、鉄筋をL字型に折り曲げて埋め込むことを「折り曲げ定着」と呼び、その折り曲げた先の長さを「余長」と言います。

この長さが1mmでも足りないと、大きな地震の際に部材が外れてしまう恐れがあります。

サクラ先輩

定着は「つかむ力」よ。 コンクリートが鉄筋をどれだけしっかり握っていられるか。 だから、計算された長さは絶対に短くしちゃダメなの。

継手

継手(つぎて)は、2本の鉄筋を縦方向につなぎ合わせる接合箇所の総称です。

鉄筋は一本の長さが最大12m程度と決まっているため、それ以上に長い建物を作るには、必ず途中でつなぐ必要があります。

継手には「重ね継手」「ガス圧接継手」「機械式継手」「溶接継手」などの種類があり、部材の重要度や鉄筋の太さに応じて使い分けられます。

継手は構造上の弱点になりやすいため、同じ場所で全ての鉄筋をつながず、位置を交互にずらす「千鳥配置(ちどりはいち)」にするのが原則です。

継手の施工ルール
  • 同じ断面に継手を集中させない(イモ継ぎの禁止)
  • 引張力の小さい場所に継手を作るのが理想
  • 指定された継手長さや工法を厳守する
後輩ハルキ

「イモ継ぎ」はダメ、と。 同じところで一斉に切れるような弱点を作らない工夫なんですね。 千鳥にする意味がよく分かりました!

重ね継手

重ね継手(かさねつぎて)は、2本の鉄筋を一定の長さだけ並べて重ね、結束線で縛って一体化させる最もシンプルな継手方法です。

構造図、特記仕様書によりますが、主にD16以下の細い鉄筋で用いられます。(JASS5では、重ね継ぎ手はD25まで可能としているが、都度、特記仕様書の確認が必要です。)

重なっている部分のコンクリートが、両方の鉄筋を同時に掴むことで力を伝達します。

必要な重ね長さは、コンクリートの強度や鉄筋の種類によって「40d(径の40倍)」などと規定されており、これを実測して確認するのが現場監督の重要な仕事です。

シンプルですが、結束が緩いと打設中にずれてしまうため、確実な固定が求められます。

ガス圧接などの特殊な機械や技術を必要としないため、現場での作業を簡略化し、工程をスムーズに進められるのが利点です。目視による配筋検査が容易であり、特に小口径の鉄筋においては非常にコストパフォーマンスに優れた工法といえます。

サクラ先輩

D16以下の細い筋でよく使うけど、重なっている部分は「あき」が狭くなるから注意して。 ジャンカ(充填不良)の原因になりやすいポイントよ。

管理人:コンくん

構造図の特記仕様書に重ね継ぎ手の詳細が記載されています。
着工前にしっかり内容確認しましょう。

ガス圧接

ガス圧接(がすあっせつ)は、先ほど紹介した圧接器を使い、鉄筋の端部同士を加熱・加圧して接合する方法です。主にD19以上の太い鉄筋から圧接となることが多いですね。接合後は、膨らみの直径や長さ、芯のズレがないかを全数検査し、さらに一定の割合でテストピースを抜き取って引張試験を行うこともあります。(特記仕様書による)最近では超音波探傷試験が一般的となっていますが、これまた特記仕様書次第となります。

後輩ハルキ

太い鉄筋の時はガス圧接が頼りですね。
まずは自分の目でしっかりコブの形を見れるようになります!

管理人:コンくん

柱主筋や梁主筋、D19以上の継ぎ手の場合、一般的にガス圧接が採用されます。手動ガス有資格者という資格がないと作業できません。
作業前に資格証を確認して写真などで記録しましょう。

【手動ガス圧接資格者】
1種:径25㎜以下
鉄筋種別:SR235、SR295、SD295、SD345、SD390
2種:径32mm以下 
鉄筋種別:SR235、SR295、SD295、SD345、SD390
3種:径38㎜以下
鉄筋種別:SR235、SR295、SD295、SD345、SD390、SD490
4種:径51㎜以下
鉄筋種別:SR235、SR295、SD295、SD345、SD390、SD490

落とし込み法

落とし込み法(おとしこみほう)とは、梁の配筋を行う際、型枠の上(少し浮かせた状態)で鉄筋を組み立て、組み終わった後にジャッキなどで所定の位置まで「落とし込む」工法です。

型枠の中で直接組む「直組み」に比べて、作業スペースが広く確保できるため、結束作業が丁寧に行えるというメリットがあります。

また、腰をかがめる作業が減るため、職人さんの身体的な負担軽減にもつながります。

ただし、落とし込む際に型枠を傷つけたり、鉄筋が引っかかったりしないよう、細心の注意を払ってゆっくりと降ろす技術が必要です。

管理人:コンくん

組み上げた梁筋を型枠内へ下ろす作業は、
一歩間違えると重大な事故に直結する非常に危険な工程です。

作業員同士で明確な合図を掛け合い、
足元の安全や指詰めなどの事故が起きないよう
常に声掛けと手順の確認をしながら
慎重に進める必要があります。

サクラ先輩

落とし込みがうまく決まると気持ちいいわよ!
でも、無理に押し込むと、
せっかく確保したかぶり厚さが狂っちゃうから、
最後まで丁寧に見守ってね。

鉄筋に関するQ&A

主筋と配力筋の違いを一言で言うと何ですか?

主筋は構造上の重みを支えるメインの鉄筋で、配力筋はその力を分散させたりひび割れを防いだりするサポート役の鉄筋です。スラブでは短い辺の方向に並ぶのが主筋、長い辺の方向に並ぶのが配力筋と覚えておくと間違いありません。

かぶり厚さが不足すると具体的にどうなりますか?

コンクリート内部の鉄筋が雨水や空気に触れやすくなり、錆びて膨張します。すると内側からコンクリートを押し出し、表面が剥がれ落ちる「爆裂」という現象が起き、建物の強度が大幅に低下して寿命が短くなってしまいます。

現場で「あき」が足りないと言われました。どういう意味ですか?

並んでいる鉄筋同士の隙間の距離が、規定よりも狭くなっている状態です。隙間が狭すぎると、コンクリートの中に入っている砂利(粗骨材)が通り抜けられず、隙間だらけのスカスカな状態(ジャンカ)になってしまうため、一定の距離を保つ必要があります。

サクラ先輩

現場で迷ったら、いつでもこの用語集を読み返して。
あなたなら、きっと素敵な技術者になれるわ!

鉄筋は建物が完成すれば目に見えなくなる場所ですが、
だからこそ施工管理者の「良心」が試される仕事です。

今回学んだ用語は、職人さんや上司と対等に話し、
正しい品質を守るための「武器」になります。

一つ一つの言葉の意味を、現場の鉄筋を触りながら、
自分の知識として定着させていってくださいね。

全12回の講習、本当にお疲れ様でした!

あなたの手がける建物が、
何十年先も誰かを守り続けることを誇りに思ってください。
応援しているわよ!

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